ここ最近は、邦・洋問わず様々な音楽を聴いていた。
今日はその中から、特に良いなと思ったものについて書きたい。
なお、特に脈絡もなく聴いていたので、何故この曲をチョイスしたのかについて、胸を張って人に説明できるような理由は特にはないことを予め断っておく。
虹/くるり
今年の6月の、初夏に差し掛かるまでの梅雨の時期には、くるりをよく聴いていた。
早く夏よ来い…などと考えながら、はっぴいえんどの「夏なんです」を聴いていたことがきっかけである。
というのも、くるりの「春風」という曲が、はっぴいえんどの「風をあつめて」という曲に似ているということを、ネットで目にしたからである(確かに似ていると思う)。
久しぶりにくるりを聴いたら懐かしくなってしまい、久しぶりに彼らの1stアルバムである「さよならストレンジャー」を手にとった。
このアルバム、実に良い。
#1「ランチタイム」はタイトルから受ける印象のとおり穏やかで日常的な曲であるが、#2「虹」で、見せる風景は一気に開放的になる。
#3「オールドタイマー」は初期衝動のような疾走感のある曲。
#4「さよならストレンジャー」と#6「東京」は、初期くるりの代表曲と言って良いだろう。どちらもスローテンポな曲だが、1stにして、ここまで聴かせるメロディを作るのはすごい。「東京」の名を関する曲は数多あるが、くるりの「東京」は、個人的に好きな曲である。
#5「ハワイサーティーン」#8「葡萄園」のように実験的な曲もある。
#7「トランスファー」#9「7月の夜」はポップな佳作といった印象。
#12「ブルース」は、終わりの1曲に相応しいスケール感のある曲。穏やかに始まるイントロから、急に音圧が上がりイントロに入る部分が好き。
とまあ、多少べた褒めな感じもするが、この作品を聴いていて、一気にくるりのことが好きになってしまったのである。
音楽に興味を持ち始めた頃にもこのアルバムを聴いたことがあったのだけれど、当時の自分にはあまり良さが分からなかったことを覚えている(退屈で地味…などと感じていた)。
こういうことは非常によくあることなのだが、機会をあらためて聴いてみると、同じ作品から全く違った印象を受ける。当然評価も変わる。
収録作品の中でも特に良いと思ったのが、#2「虹」。
終盤のギターソロは、まさにロックといった感じであり、今まで自分がこの曲に抱いていたイメージは何だったのだろう…と、目からウロコが落ちる思いであった。
これは、紛れもないロックミュージックであると、そう思った。
この作品に続いて2nd、3rd…と聴いてみたが、巷で言われているとおり(そして多くの批判の対象になっているとおり)、くるりは作品ごとに毛色がまるで違う。
その中でもこの1stは、王道の(ベタな)ジャパニーズロックアルバムであるが、個人的にはくるりの中でも一番好きなアルバムだと思っている。
面白いなあ、くるり。