彼らを知るようになったきっかけは、AppleのCMで使われているEnglandという曲を聴いたことである。
CMを見て気になり調べたところ、The Nationalというバンドの曲であった(アルバム:High Violet収録)。
こういうとき、Shazamって便利ですね。CMが流れたときに、すぐさまiPhoneをTVにかざして曲を調べられる(結構お世話になっている)。
Chérie's Verse/Apple
CMのテーマは"旅"であるが、音楽のイメージが、壮大で異国的な雰囲気を感じさせる映像と上手くマッチしている。
このCMは1分程度で、音楽もボーカルの全く入っていないものであるが、原曲はMatt Berningerのバリトンが深く心地良く響き、後半に向かって静かに高まってゆく曲の構成と相まって、より壮大なイメージを感じさせるものとなっている。
England/The National
彼らは純粋にアメリカのインディーズバンドである。
メンバー5人はもともとオハイオ州・シンシナティの出身であるが、活動の拠点はブルックリンであり、バンドはブルックリンの音楽シーンを牽引するインディーズバンドとして紹介されている。
結成は1999年。これまでに6枚のアルバムをリリースしており、15年ほどのキャリアを持つ。
この曲が収録されたHigh Viletは彼らの5枚目のアルバムであり、本作と合わせて前作:Boxer(4th)、そして次作:Trouble Will Find Me(6th)を聴いたが、これがまたいずれも、すごく良い。
取り分け4thアルバムのBoxerなんて、アルバム全体を通してダークでクラシカルでしっとりとした、でも退屈でないロックを鳴らしており、信じられないくらい完成度の高い作品である。
Anyone's Gohst/The National
このバンドからは、"正統"、"堅実"、"良質"といったキーワードを連想する。
彼らが活動してきたこの15年間、自分の知らないところでThe Nationalは堅実に、でも着実な成果を積み上げてきており、確固とした存在感を持ち続けていたのである。
何故今までこのバンドのことを知らなかったのだろう…と悩ましく思ってしまう。
USのバンドってどうしてもUSらしさが抜けないものだと勝手に思っていたのだけれど、彼らの音楽を聞く限りそういったことは全く無くて、これまでの自分の偏見が誤っていたということに気付かされた。
"USインディの良心"と言われるのもうなずける。またひとつ、お気に入りのバンドが増えたなあと思う。
公式ホームページを見るとLiveツアーも精力的に行っており、数回の来日も果たしている模様。
次回作のリリース時には、来日するだろうか。
一度生で観てみたいものである。
The National
http://americanmary.com/