2013/03/04

バンドの新たな一面:今を生きて/Asian Kung-fu Generation



アジカンのニューシングル「今を生きて」が2月20日にリリースされた。
映画「横道世之介」のタイアップということでYoutubeで先行公開されたPVの一部を見ていたのだが、気がついたらリリースされていて、それをiTunesストアにて知った(レコメンドされていたところを発見した)。

昔はアジカンの新曲といったら、初オンエアとなるラジオをMDに録音して、リリース前から何度も繰り返し聴くくらいであったが、今や新曲のリリース日すら、"気がついたら訪れている"というほどである。

とまあ、アルバム:ランドマークのリリース後、しばらく注目をしていなかったアジカンではあるが、iTunesストアで買えるということで購入。アジカンの曲をiTunesで購入するのは、昨年秋に取り扱いが始まって以来、初めてである。

手軽にレビューを読み、気になればiPhoneから購入し、すぐにダウンロードされるという仕組みは非常にスムーズ。特に、試聴しながらすぐにレビューを読めるという点が良い(ジョブズが亡くなって以降、apple製品のUIの凝り具合がいまいち好きになれないのだが、iTunesストアで試聴しながら他のページに遷移できるようになった点は評価している。不安定だけれども)。

この手の曲にしては意外であったのだが、レビューの評判がすこぶる良い。
映画のイメージにマッチしているからだろうか。

テンポの早くない曲、格好いいというよりも味のある曲で評価されるようになった点は、バンドの成長であろう。どこかで、”良い意味でoasisのようになった”と書いている人を見たが、あながち言い過ぎでもないと思う(ナローなペースの良曲:迷子犬と雨のビートもoasisのようであったが)。
ドラムの音(太鼓のような重めの音でリズムを刻む)で始まり、静かな鈴の音が流れ出す出だしが好きである。

しかし何と言っても、今回の収穫はc/w:ケモノノケモノである。
ここまでピアノを全面に押し出した曲は、バンドにとっての新たな試みである(曲として斬新というわけではないが、アジカンにしてこの曲というのが新しい)。
しかも、良い。
ピアノの音は、その初めての試みが少し照れくさいかのように、右へ左へ、無造作に駆けまわる。
ケモノとは言っても、決して”獣”ではなく、どことなくチャーミングなイメージの曲。

こういう、肩の力を入れない、ライトな良曲を生み出せるようになったのは、バンドの明らかな成長であると思う。
バンドの新たな一面を見せる新作である。

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