Comedown Machine(輸入盤)を購入した。
国内盤には、ボーナストラックとして#12:Fast Animalsが収録されていたが、この曲は#7:Slow Animalsのテンポを早くしたものである(アルバムに収録されなかった別バージョンだろうか?)。
収録されたテンポの遅い曲がSlow Animalsでテンポの早い曲がFast Animalsとは何とも単純であるが、この1曲に価格差ほどの価値が見出せず、輸入盤を購入。
ちなみにFast Animalsは現時点で、iTunesストアでも販売されていない。
細かい点ではあるが、アルバムジャケットに記されたアルバムの長さである39minutes 55secondsが、国内盤ではボーナストラック分長く43minutes 44secondsと記されている。
一般的なアルバムジャケットというものが、音楽作品の表紙として、その作品自体に決して小さくない影響を与えるものであるのに対して、Comedown Machineのジャケットはあくまでパッケージなのであると感じた。
敢えてそうしていることに何らかの意図はあれど、そのデザイン自体には、ほとんど意図などないのではないか。
アルバムを聴いたファーストインプレッションは、”格好良い”。
ジャケットにも現れているとおり、至ってシンプルな作品である。
前作と同じく歌詞の封入はなく(国内盤も同じであり、対訳も含まなれていない)、ジャケットとCDの他、バンドメンバー5人のシルエットが写された紙が入っているのみ。ジャケットの質感も、簡素なものである。
アルバムプロモーションが行われていないことや、バンド自身が作品について全くと言っていいほど何も語っていないところから考えても、やはり至ってシンプルな作品である。
今回の作品の特徴は、この、極めて純粋に、音楽のみが表現されているところにあると思う。
音楽を聴いてみると、世間一般のストロークスのイメージである1st〜3rdの感じではない。
しかし、至ってシンプルに曲だけを聴いてみるとどうであろう。とても格好良いのである。
各曲ごとのレビューは別の機会に譲るとして、アルバム全体の印象を総括すると、”なかなか侮れない作品を出してきたな”というところである。
名前の売れたバンドの出す作品はどれも、バンド自身の名前によって良い方向に評価されがちであり、純粋にその音楽だけを見たときに、同じような評価が得られるのだろうか…などと、最近そんなことを考えていたのだが、そういった観点からこの作品を考えてみると、The Strokesというバンドが、バンドとしてのアイデンティティを解体し、初期の頃の曲作りというものを捨て、至って自然なかたちで、メンバー5人で作品を作り上げようと努めていることがよく分かる。
この作品は、The Strokesというバンドの一つの転機となるであろう。
そう感じさせるアルバムである。
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