2012/10/28

ブリティッシュロックへの回帰:Don't Believe The Truth/Oasis


Oasisのアルバムで一番好きなものは?と聴かれたら、まず思い浮かぶのは1st:Definitely Maybe、そして2nd:(What's The Story)Morning Glory?であろうか。
個人的には、彼らの6枚目のアルバムであるDon't Believe The Truthが気に入っている。

3rdアルバム以降、アルバムの評価的に決して成功しているとはいえなかったOasisであるが、本作では王道のブリティッシュロックに回帰し、それが見事に成功している。
1stアルバム、2ndアルバムの成功、歯に衣着せぬ物言いや、しばしばメディアを騒がす荒っぽいエピソード、兄弟喧嘩…と、注目度は圧倒的に高く、名実ともに英国を代表するバンドであったことは周知のところではあるが、本作品によってその地位は確固としたものとなったように思う。

何と言っても好きなのは、アルバムの1曲目であるTurn Up The Sunだ。
カウントアップから始まるイントロ、控えめにリズムを刻む鈴の音、アナログなギターの音。
音からは、枯れた荒野や沈みゆく夕日といったイメージが連想される。
曲から滲み出るハードボイルドな雰囲気が、たまらなく格好いい。

 Turn Up The Sun/Oasis

イントロの格好良さ、そしてストイックかつドライなイメージが印象的な曲である。
こんな曲から始まるアルバムが、名作でないわけがない。

そして、本アルバムの1stシングルにして、後期に発表された曲の中では圧倒的な支持を得ているこの曲。

 Lyla/Oasis

Turn Up The Sunと同じく、冒頭のギターから、ただただ格好いい曲である。

他にも、The Importance Of Being IdleやLet There Be Loveのように、ノエルのボーカルで優れた曲もある。
全体的にギターの使い方が土臭くて、それがとても良い。
また、前作までとの違いとして、ボーカルの音に重みが増しているように感じられる。

6枚目というタイミングで、何の脈絡もなくこれほど存在感のある作品を残すことができたのは、バンドにとって重要なことであったに違いない。
スタジアムのような巨大な会場で、大人数を前にして演奏するのに耐えうるだけのキャパシティーを持ったバンドというのは、そうそう数が多いものではないと思うが、本作によって、Oasisはそういった高みに到達した感がある。
本作がなければ、Oasisというバンドの痕跡は今ほど強く残っていなかっただろう。
純粋にそう思えるほどの作品である。

本作がリリースされた当時の熱狂を垣間見ることのできる映像を発見した。
Live Manchester 2005/Oasis

ちなみに2005年は音楽的に豊作の年であり、他のバンドからもいくつか優れたアルバムが発表されているのだが、その話はまた別の機会にということで。

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