Vampire Weekendの3rdアルバム:Modern Vampires Of The Cityがリリースされた。
本国アメリカでは上記画像のように発売日が5月13日へと延期されたが、日本では予定どおりリリースに至ったようである(先行リリースと謳われている)。
バンドとして初めて、外部プロデューサー(アリエル・レヒトシェイド)を起用しており、”オーガニックなサウンド”が売りという本作。
これまでとは違ってニューヨークではなくロサンゼルスで、ボーカルの録音は部屋の窓を開けて行われたそうである。
大きな方向転換はないものの、バンドとしての変化は見られる。
全体的には、豪華な音作りになっていると感じた。特に、スケール感の大きな曲(#2:Unbelievers)や強い威力を持った曲(#3:Stepや#4:Diane Young等、余裕でシングルカットできるような曲)の存在は、バンドが円熟しつつあること、またメジャーになったことを感じさせる。
ボーカルのエズラ・クーニグ曰く「年齢を重ねるほどクールになっていったウディ・アレンのように、歳をとるにつれて失われるエネルギーの代わりにエレガンスさを獲得する、そんな方法論を音楽に持ち込みたいと思った」とのこと。
前作のような若さやポップさは確かに影を潜めていると感じる。
エズラは今年で29歳。バンドとしても歳を重ね、転換期を迎えているということか。
アルバムの全曲は下記にて試聴可能。
http://hostess.co.jp/xl/vampireweekend/news/2013/05/002483.html
#1:Obvious Bicycleはアルバムの前評判どおりオーガニックなサウンドの一曲。穏やかにアルバムの始まりを告げる。
#2:Unbelieversは軽快なオルガンの音が何ともご機嫌な曲。ほのぼのとした出だしから軽快に抑揚を見せる曲調と、”I know I love you, and you love the sea”と高らかに歌い上げるボーカルはとても良い。
#6:Hannah Huntは、終盤、唐突に盛り上がりを見せるピアノの音が印象的。
#4:Diane Young、#10:Ya Heyはボーカルにかけたエフェクトが面白い。
まだ全ての曲を聴き込んでいないが、ファーストインプレッションは非常に良い。
オーガニックで有機的であるが、アルバムの空気は緩んだものではない。
むしろこれまで以上にスマートな作品ではないか。
PVやジャケットから感じられるものは、バンドの活動拠点であるニューヨークの姿。
本作は、これまで以上にその都会的な部分が押し出されており、それがアルバムのバックボーンに洗練されたイメージを与えている。
Vampire Weekendの魅力である平和的な雰囲気は変わらず保たれており、ところどころにくすぐったいような仕掛けも見られる。ジャンル不明とも言える曲調も健在。
クレバーでウィットに富んでいながら、一方で捻りやハズしも見られ、エッジも効いている。
この何ともハイセンスな感じが、やはりVampire Weekendの魅力であるなと思った。
余談であるが、Photo By Neal Boenzi/New York Timesとクレジットされたアルバムジャケットも格好いい。
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